7月5日に、佐久穂中学校で9年生の皆さんに福祉体験の授業を行いました。
6月に行った福祉講話に続いて今回も社協が関わらせていただき、高齢者擬似体験と車いす体験の2つの体験を実施しました。
車いす体験では、校内に設定したコースを車いすで走行し、生徒さんたちは操作の難しさや腕でこぐことの大変さを感じたようです。自分の力だけでは乗り越えることが難しい段差や下り坂のスロープでは、友だちに補助をしてもらいながら進む姿もありました。校舎内のトイレや教室等の中には、車いすで通るには狭く移動しづらい箇所があり、普段自分たちが不便なく使用している場所にも、障がいのある方にとっては移動や生活に困難を感じる物理的な「バリア」があることに気づけたことと思います。
高齢者擬似体験では、高齢者・障がい者を支える地域づくりのため社会貢献活動をされている保険会社から講師の先生をお招きし、高齢者擬似体験キットを使用して体験を行いました。
手足に重りをつけて高齢者の筋力の低下を感じたり、特殊なゴーグルを装着して視野の狭まりを感じたり、体験キットを装着することで自分の体が80歳になったことを想定し動きを体験します。思い通りに動かすことのできない手足や十分に見聞きすることのできない目や耳で、階段を上り下りしたり文字を読み書きしたりすることの難しさを感じたようでした。講師の先生からは、「良かれと思って手伝おうとしても、高齢者の中にはそれを望んでいない人もいれば、トレーニングとして一人で頑張りたいという人もいる。何でもやってあげようとするのではなく、『手伝いましょうか?』と声をかけ、その人が必要としていることに対して手を貸すことが大切。」とお話がありました。高齢者に対してだけでなく、普段の生活の中でも大切にしたい視点を学ばせていただきました。
9学年の皆さんは、高齢者や障がいのある方々の気持ちを考えながらとても熱心に取り組んでくれました。今回の体験を通して感じたことを日々の生活で役立ててもらうとともに、福祉について興味や関心をもつきっかけになってもらえたら嬉しいです。
今後も、福祉教育の推進に取り組んでまいります。